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うろぱす副船長のYAHOO映画レビューの加筆・修正

右寄り保守系軍事オタクの映画評。感想は辛口ですが映画への愛情の裏返しです

映画「蒼き狼~地果て海尽きるまで~」の感想

蒼き狼~地果て海尽きるまで~

2007年3月公開
原作:森村誠一 製作:角川春樹 監督:澤井信一郎
出演:反町隆史 菊川怜 若村麻由美 袴田吉彦 松山ケンイチ Ara  津川雅彦 保坂尚希 榎木孝明 松方弘樹
うろぱす副船長評価 15点
2014年12月現在YAHOO映画レビュー得点 2.54点

「男たちの大和」で表舞台に復帰した角川春樹が続いて製作した「蒼き狼~地果て海尽きるまで~」
しかし、本作は公開当初から酷評され興行面でも散々な失敗に終わったようです。

ハリウッド映画では日本のサムライもナチスドイツ軍の将校も流暢な英語を喋るが「蒼き狼」ではチンギス・ハーン以下、モンゴル人が流暢な日本語(それも現代の日本語)を喋ってくれる。日本映画なので日本人の俳優が演じるのは構わないとしてもせめてセリフだけはモンゴル語に吹き替えすれば少しは評価が変わったのかもしれないがこれではハリウッド映画の亜流と言われても仕方ない。

「蒼き狼」は30億円もかけてモンゴルでロケし人間も馬もたくさん登場するので確かにスケールだけは日本映画としては大きいのだが評価出来るのはそこだけ。監督の演出力不足、配役陣の魅力のなさ(特に超一流国立大学卒の高学歴女優のセリフ棒読み演技には絶句、なんでキャスティングされたのか全くもって不明)、メリハリのない脚本、角川春樹の思い入れだけで撮ってしまった映画です。同じように巨額の予算を投入しながら成功作とは言い難い「敦煌」より更に悪い。

私は以前にもレビューしたのですが角川春樹に関しては一定の評価をしています。
角川映画は春樹氏の熱い思い入れがあったればこそ誕生したのであり「戦国自衛隊」や「時をかける少女」、「蒲田行進曲」は日本映画史上に残る名作と評価していいでしょう。

しかし、角川春樹の思い入れが逆に悪い方向に向く事もある。
映画は総合的な芸能でありプロデューサーの一人勝手な思いだけでは多くの観客を感動させる事は出来ない。監督の力量、俳優のキャスティング、脚本の完成度、どれひとつが欠けても名作は生まれない。「時をかける少女」や「蒲田行進曲」は監督にも脚本にも恵まれ成功したが「蒼き狼」は映画を成功させる全ての要素に欠落しており完全に駄作だ。

「蒼き狼」にとって更に不運だったのがモンゴル映画「モンゴル」の公開


もちろん、人の噂も75日
幾ら酷評されてもあっという間に時間が過ぎる現代社会では1作の映画なんてすぐに忘れ去られる。「蒼き狼」も普通なら忘れ去られる映画に過ぎなかったはずだ。しかし、「蒼き狼」にとって非常に不運だったのは公開から僅か1年足らずで同じくチンギス・ハーンを描いたモンゴル映画「モンゴル」が公開された事であった。

この「モンゴル」はオスカー外国語映画賞にもノミネートされ世界的に注目された。
チンギス・ハーンを演じた浅野忠信以下、配役陣の素晴らしい個性と演技は圧巻だった。脚本もメリハリが効いていて緊張感溢れるストーリー展開に観客は最後までスクリーンに釘付けになってしまう。

「モンゴル」と比較されてしまえば「蒼き狼」なんて月とスッポンどころか太陽と蚊なのである。
モンゴル映画の圧倒的な実力を痛感すると共に日本映画の貧弱さを感じざるを得ない。

しかし、そこに日本人としての敗北感のようなものはない。むしろモンゴル映画陣の高い技術力と映画にかける情熱を賞賛するばかりなのだ。





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  1. 2014/12/16(火) 23:28:15|
  2. 映画
  3. | トラックバック:0
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映画「仁義なき戦い」の感想

仁義なき戦い

菅原文太追悼レビュー
うろぱす副船長評価 90点
2014年12月現在YAHOO映画レビュー得点 4.46点

菅原文太の出世作になった深作欣二監督作「仁義なき戦い」の第一作が公開されたのは昭和48年
私は小学生だったので映画館では見ていません(当時は東宝映画祭りを見ていた頃なので・・・)

テレビ放映で「仁義なき戦い」を見た世代ですが菅原文太以下、配役陣のリアルな広島弁セリフが強烈なインパクトでした。私は普通の市民なので任侠の世界には全く無援です。「仁義なき戦い」はたしかに映画としては非常に面白いのですが本作に登場する人物を見て自分が任侠の世界に入りたい、とはとても思いませんね。

人を殺めて懲役15年、なんて御免です。
自分だっていつ殺されるかも分からない、枕を高くして眠れません。
”人間は普通の市民が一番いい”、というのが深作監督の最大のメッセージだったのでしょう。

しかし、「仁義なき戦い」は映画としての完成度は素晴らしい


「仁義なき戦い」が邦画史上の傑作になったのは脚本を担当した笠原和夫の功績でしょう。
これほど緻密に計算された脚本は日本映画で他に例をみない。そしてご存知、津島利章が作曲したメインテーマ

普通の人間が立ち入らない裏社会
冷酷で怖い世界だがついつい見てしまう、任侠映画の不滅の金字塔「仁義なき戦い」

  1. 2014/12/07(日) 19:07:21|
  2. 映画
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  4. | コメント:0

映画「ブラックレイン」の感想

ブラックレイン

日本公開:1989年10月
監督:リドリー・スコット
出演:マイケル・ダグラス 高倉健 アンディ・ガルシア 松田優作 ジョン・スペンサー 
若山富三郎 神山繁 ケイト・キャップショー ガッツ石松
高倉健追悼レビュー
日本人の崇高な精神を見事に描いた稀のハリウッド映画

うろぱす副船長評価 90点
2014年12月現在YAHOO映画レビュー得点 4.19点

先月亡くなった高倉健さんは幾つかのハリウッド映画にも出演しましたがその中で最高作は何といってもリドリー・スコット監督作「ブラックレイン」でしょう。この映画は健さんの他にも松田優作、若山富三郎など日本の一流の配役陣が出演しておりマイケル・ダグラスやアンディ・ガルシアなどハリウッドのスター俳優に勝るとも劣らない個性と存在感でした。

ハリウッド映画は西欧キリスト文明と白人優越の世界でありアジア人は蔑視の対象であり特に日本人は狡賢く野蛮な劣等人種として描かれる事が大半です。「パールハーバー」然り「ローグアサシン」然りです。しかし、「ブラックレイン」は日本人の崇高な精神を見事に描いている稀なハリウッド映画なのです。日本人が見ると自分が日本人である事に誇りと高揚感を感じられる一作。これが外国人監督が撮った映画とは。最近の劣悪な萌え系映画を撮っている日本人監督は「ブラックレイン」を見て猛省しなければならないでありましょう。

やはりリドリー・スコットの高い見識と力量の成せる技なのでしょう。後年、リドリー・スコットは西欧キリスト文明とイスラム世界との対立を描いた「キングダム・オブ・ヘブン」を撮ったがこれもキリスト教徒とイスラム教徒を平等に描いており素晴らしい歴史大作であった。

あくまでハリウッド映画であり日本人が見ればやや違和感を感じる部分はたしかにありますがいずれも許容範囲です。
未見の方、高倉健追悼として是非ご覧下さい。

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補足
1)クラブのホステスを演じたケイト・キャップショーは後にスピルバーグ監督と結婚している。

2)日本人が見ると違和感を感じたり可笑しく思える点
・暴走族のバイクに立っている幟(まるで戦国時代の騎馬武者のよう)
・松田優作とマイケル・ダグラスがバイクでチェイスを繰り広げる田園地帯がとても日本の風景とは思えない
・警察車両の中に貼ってある”適格な判断 迅速な行動”の張り紙
・所轄の刑事である高倉健がサブマシンガンで武装している。日本でサブマシンガンを持っている警察官は特殊急襲部隊SATの隊員ぐらいだろう。日本とアメリカの警察の武装に関する現実の違いが感じられるシーンであった。

3)高倉健の上司の警察幹部を演じた神山繁が地味ながらいい演技をしている。
東宝映画「連合艦隊」での空母「瑞鶴」艦長役など組織の堅実な指揮官を演じると上手い役者だ。




  1. 2014/12/06(土) 20:16:20|
  2. 映画
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菅原文太 逝く

菅原文太 逝く

先日、高倉健さんの訃報を聞きましたが本日は菅原文太さんの悲しい知らせです。

菅原文太の出世作はもちろん「仁義なき戦い」ですが私は「トラック野郎」の方が好きでした。
型にとらわれず自由奔放な生き様に憧れたものです。菅原文太はアンチヒーロー型のヒーローでした。

菅原文太さんの御冥福をお祈りします。

合掌
  1. 2014/12/01(月) 18:49:52|
  2. 芸能人
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うろぱす副船長

Author:うろぱす副船長
うろぱす副船長と申します。
以前からYAHOO映画レビューを書かせて頂いておりますがYAHOO映画では過去記事の訂正や加筆・修正が出来ないのでこちらであらたに書き直したいと思っています。

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