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うろぱす副船長のYAHOO映画レビューの加筆・修正

右寄り保守系軍事オタクの映画評。感想は辛口ですが映画への愛情の裏返しです

映画「フューリー」の感想

FURY

うろぱす副船長評価 75点

実物の「ティーガー」戦車やM4E3A8「イージーエイト」などが登場するなど大きな話題となっているブラット・ピット主演の戦争映画「フューリー」を見て来ました。

「ティーガー」の迫力や軍事的な考証面で高く評価出来る部分がある一方で人間ドラマの描き方などには不満点もあり総合評価は75点ぐらいです。

この映画では米軍によるドイツ軍捕虜虐殺なども描かれていてアメリカを絶対的な正義として描く過去のハリウッド映画とはたしかに異なる視点を持っている。90年代から21世紀にかけて撮られた比較的最近のハリウッド戦争映画でも「プライベート・ライアン」や「パール・ハーバー」ではアメリカと米軍は正義と自由を守る高潔なヒーローとして描かれていたが「フューリー」ではどちらかと言えばオリバー・ストーンのような視点で戦争の赤裸々な実態に迫っておりこの点は高く評価出来る。少なくとも米軍の大活躍で爽快感溢れる(アメリカ人にとってだが・・・)映画ではないのです。たとえ第二次大戦が連合軍の勝利だったとしてもそれは歴史上の話であり最前線の無名の下級兵士には何の関係もない、あるのは生き残るか死ぬか、その二つに一つしかないという冷徹な現実が上手く描かれている。

その一方で「フューリー」には幾つかの不満点もある。
最大の不満点は人間ドラマの演出不足。対立していた上官と新兵が短時間であっさり和解したり戦争恐怖症だったその新兵が突然、平然と敵兵を殺戮しだしたりと観客にとっては説明不足でドラマの早すぎる展開に追いつけない部分があった。

米軍強すぎ、ドイツ軍弱すぎ、これはハリウッド映画の伝統


これは「フューリー」に限らず多くのハリウッド戦争映画に共通している事なのだがアメリカ兵は強すぎ、ドイツ兵は弱すぎという点。「フューリー」でもドイツ軍は弱すぎて同情したくなる。
履帯を切断され孤立無援のM4戦車1両にどうして多数のドイツ軍があそこまで苦戦するのか・・・? 戦車は外部視界が極端に悪く歩兵に肉薄されればどうしようもない。しかもドイツ軍は対戦車用のパンツァーファウストを持っているに・・・。動けなくなった戦車の死角から1発ぶち込めばそれでM4を簡単に撃破出来ただろう・・・

だが、ドイツ兵もまるで無知無能でわざわざ戦車の前に自分の姿を暴露して”さあ、私を撃ってください。殺して下さい”と言っている感じ。とても軍事訓練を受けた兵士とも思えない。子供の頃から右寄り保守系軍事オタクでナチスドイツ贔屓だった私にとっては相当不満が残る結果となった。

だが、実物「ティーガー」の迫力は何者にも代え難い


軍事マニア的な視点ではいろいろ文句もあるのだが、やはり実物の「ティーガー」と「イージーエイト」が登場し迫力ある戦車戦を堪能させてくれたのは素晴らしかった。この戦車戦のシーンだけでも本作は十分に見る価値ありです。

補足
1)戦後の劇映画で実物の「ティーガー」が登場したのは私の記憶では「第1空挺兵団」と「撃滅!重戦車3000粁」(ともにイギリス映画)の2作ぐらいしか思いつかない。この2作はいずれもドイツ軍兵器が多数可動状態にあった大戦後すぐに撮影された映画であり60年代以降の作品では大半が現用戦車で代用したりドイツ軍戦車らしく改造したものばかりであった。その意味で「フューリー」が実物「ティーガー」を使用して撮影した事は戦争映画史上の歴史的快挙と言えましょう。
fury2.jpg
(写真上)「フューリー」に登場するのはイギリスのボービントン軍事博物館で保管されている「ティーガー」戦車
現在、世界で唯一可動状態にある「ティーガーⅠ」型である。

2)軍装も米独両軍とも文句の付けようがないほど完璧に再現されており軍事マニアを唸らせる。





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  1. 2014/11/30(日) 18:40:16|
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映画「大空に乾杯」の感想

大空に乾杯
1966年2月公開
監督:斉藤武市
出演:吉永小百合 十朱幸代 広瀬みさ 和泉雅子 浜田光夫

うろぱす副船長評価 60点
2014年11月現在YAHOO映画レビュー得点 3点

1970年に放映された「アテーションプリーズ」、1983年に放映された「スチュワーデス物語」
その2作品の元祖であり日本における客室乗務員作品の走りとも言うべき映画が1966年、日活で製作された「大空に乾杯」です。コミカルなストーリーと恋愛を絡める手法は後の作品に絶大な影響を与えたと感じられます。主演はもちろん吉永小百合。映画としてはB級かもしれませんが吉永小百合の魅力満開で公開から50年近く経った今見てもあまり古さを感じさせません。

「大空に乾杯」は何はともあれ吉永小百合の清純で可憐な魅力に尽きます。
客室乗務員の制服姿がバッチリ決まっています。当時の多くの男性がサユリストになった理由がよく分かります。吉永小百合もこの頃が絶頂期だったでしょう。本作は吉永小百合作品では何故か知名度が低いのですが一見の価値ありです。

補足
1)共演の十朱幸代や和泉雅子も若さ満ち溢れていて輝いている。

2)昭和40年代の羽田空港や東京都心がカラー映像で見事に捉えられている。
昭和40年代を知る上でも貴重な映像資料だ。

3)「アテーションプリーズ」や「スチュワーデス物語」は日本航空が撮影協力したが「大空に乾杯」は全日空が協力。
当時の全日空の主力旅客機だったB727が登場し飛行機マニアが見ても堪能出来るでしょう。






  1. 2014/11/20(木) 22:39:52|
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高倉健 逝く

高倉健 逝く

高倉健さんが亡くなりました。
私もいつかこの日が来ることを覚悟はしていましたが・・・

芸能人は元気な姿しかスクリーンに出ないので実感がわかないのですが、83歳という御高齢を考えれば致し方ありません。私にとって人生最高の俳優は三船敏郎と高倉健の二人です。私の生涯でこの御二人を超える俳優は恐らく登場しないと思います。

高倉健はその役者人生で200作以上の映画に出演しましたが、私にとっての最高作はやはり「八甲田山」ですね。
本作で忘れられない高倉健のセリフ
軍歌、雪の進軍!!


「八甲田山」と同じぐらい感動したのがリドリー・スコット監督の「ブラックレイン」。海外でも訃報が大きく報じられているのであらためて高倉健の偉大さを知ります。

今日はいろいろと健さんの想い出が込み上げてきて上手く書けませんので日を改めてレビューしたいと思います。
高倉健さんの御冥福をお祈ります。

合掌

  1. 2014/11/18(火) 19:14:49|
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新東宝映画「戦艦大和」の感想

戰艦大和
昭和28年公開
原作:吉田満 監督:阿部豊 助監督:松林宗恵 脚本:八住利雄 音楽:芥川也寸志
出演:藤田進 高田稔 佐々木孝丸 小川虎之助 宮口精二 船橋元 高島忠夫 久我美子 伊沢一郎 丹波哲郎

うろぱす副船長評価 80点
2014年11月現在YAHOO映画レビュー得点 3.67点

大東亜戦争中、自ら海軍予備学生として戦艦「大和」に乗艦した吉田満の原作「戦艦大和ノ最期」をベースにして昭和28年に公開された新東宝映画です。公開から既に60年以上の月日が流れたかなり古い映画ですが作品の評価は高く映画マニアの間では日本映画の古典的名作の一つとして記憶されています。

戦争終結から間もない時期に製作された事もあってその時代背景のリアル感、戦争の悲惨さ、激動の時代を生きた人々の赤裸々な姿の描写の鋭さは言葉を失うほどの感動と衝撃であり本作を見たら歴史的事実を全く無視した最近のラブストーリー優先の萌え系戦争映画なんて評論するのも馬鹿馬鹿しくなるほどだ。

当時は監督以下のキャスト、スタッフの多くが戦争体験や軍隊経験者であり演技指導なんて不要な時代でもあった。
それだけに海軍内部の描き方は文句の付けようがないほど完璧なものがあり戦争や軍隊を知らない世代が当時を知る上での貴重な映像資料でもある。また、本作の撮影にあたっては「大和」副長として天一号作戦に参加し生還した能村次郎海軍大佐がアドバイザーとして協力しており軍事的な考証や艦内の様子が極めて正確に描き出されている。本作の冒頭で藤田進演じる能村副長が先任伍長と共に艦内巡検を行うシーンがあるが全身に緊張感が走るほどのリアルさで70年も前に消滅した日本帝國海軍がまるで現代に蘇ったかのような錯覚に陥る。セリフも軍事マニアを唸らせる。

”巡検終わり、煙草盆出せ”
”敵潜発信、大和脱出”
”対空戦闘配置に付け!”
”敵機の大編隊、更に近ずく”
”目標、右行く編隊”
”総員退艦、最上甲板”
”准士官以上はその場で姓名申告、漂流の処置を成せ”

それでも劇映画なので原作に比べると脚色された部分はたしかにある。
情緒的な脚本であり登場人物が皆いい人として描かれている点は後の東宝戦争映画8・15シリーズの原点とも言える作風。まだまだ日本が貧しい時代の映画であり製作費などは限られており特撮技術も稚拙の域を出ていないが後年に製作された多くの邦画戦争映画は「戰艦大和」の感動と完成度には遠く達していない。保守系史観で撮られた「男たちの大和」でさえ本作に比べれば月とスッポンの差があると謂わざるを得ないほどなのだ。

本作の中で忘れられない登場人物が二人いる。
一人が厳格な海軍士官ながら将来を見通す冷静な判断力を持った臼淵磐大尉。演じたのは脇役として数多くの映画やテレビドラマに出演した伊沢一郎。実在の臼淵大尉は21歳の若さだったが撮影時の伊沢一郎は40歳ぐらいでかなりオジサンの雰囲気だった。もう一人が山添少年兵。純粋な精神の持ち主で辞書を引きながら弟に手紙を書きているシーンには思わず泣かされる。

古い映画ながら戦争を知らない世代には是非見て頂きたい日本映画の名作

補足
1)監督の阿部豊は戦前から多くの映画を撮っていたベテランで「戰艦大和」の2年後には同じく新東宝で「日本敗れず」という作品を撮った。これは昭和20年8月14日から15日にかけて終戦を阻止しようとする陸軍の青年将校たちを描いたもので後に岡本喜八が東宝で撮った「日本のいちばん長い日」は脚本やセリフなど「日本敗れず」のリメイク版と言える内容だった。

ところで「日本のいちばん長い日」は歴史的史実の再現よりは、劇映画としてのインパクトを追求した作風であった。特に一部の青年将校を狂信的な軍国主義者として描くなど実在の人物像から大きく逸脱していたのに対して「日本敗れず」は彼らを紳士的な人間として描くなどより史実に近い演出であった。やはり時間が経過するとどんどんフィクションになってしまうのは邦画史上の名作である「日本のいちばん長い日」ですら例外ではなかったのだ(「日本のいちばん長い日」は世間からの評価の高さとは裏腹に旧軍人からの評判は非常に悪い)。

2)狂言回しとして登場する吉川少尉(船橋元)は原作者である吉田満をモデルにしているのだろう。
船橋元はその後も幾つかの作品に出演したが43歳の若さで死去している。

3)藤田進が演じた能村副長がラストの方で司令塔から艦橋上部の防空指揮所に報告に行くシーンがある。
しかし、これは恐らく創作だろうと思われる。既に「大和」は大損害を受け左舷に大きく傾斜しておりとても司令塔から数十メートルも上にある防空指揮所に行けたとは思えない。

4)総員退艦命令が出た後、伊藤整一中将が部下と別れを告げ長官私室に入り中から鍵をかけるシーンがあるがこれも創作だろう。「大和」の長官私室は艦内にあるが劇中では昼戦艦橋後部にあるように描かれていた。同じ演出が「男たちの大和」でもあったが・・・・

5)この映画には若い日の高島忠夫と丹波哲郎が出演している事でも知られている。
高島忠夫は大阪出身でリベラルな思想の海軍予備学生役でセリフも多くかなり重要な役どころだが丹波哲郎はセリフ無しで登場シーンも僅か。

okinawa.jpg

(写真上)昭和20年4月7日、九州坊ノ岬沖で米軍機と死闘を展開する「大和」
新東宝映画「戰艦大和」は「大和」副長能村次郎大佐がアドバイザーとして撮影協力したので戦時中の海軍の様子が極めてリアルに描かれた。


6)天一号作戦時、「大和」が主砲弾を何発撃ったかは諸説ある。6発説、或いは1発も撃っていないなど。
いずれにせよそんなに何発も主砲弾を撃っていない事だけは事実のようだ。しかし、本作では艦が大傾斜しても「大和」は主砲を連射している(そんな状況で主砲の連射は技術的に不可能だが)。昭和28年当時の考証では致し方ない事かもしれない。

7)本作では「大和」の艦左舷中央部付近のセットが作られた。
今日の視点で見ればかなりお粗末な考証なのだが規模的にはそれなりに大きく相応の予算が投入されたようだ。





  1. 2014/11/12(水) 23:10:59|
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映画「男たちの大和/YAMATO」の感想

男たちの大和/YAMATO
2005年11月公開
原作:辺見じゅん 製作:角川春樹 監督:佐藤純彌 音楽:久石譲 主題歌:長渕剛
出演:反町隆史 中村獅童 松山ケンイチ 蒼井優 渡辺大 仲代達矢 鈴木京香 寺島しのぶ 渡哲也 山田純太 奥田瑛二 長島一茂 白石加代子 橋爪遼 内野謙太 勝野洋 高知東生 

うろぱす副船長評価 65点
2014年11月現在 YAHOO映画レビュー得点 3.86点

先日、佐藤純彌監督作品「未完の対局」をレビューしました。
佐藤純彌という人は本当によく分からない映像作家です。歴史認識や政治思考が右なのか左なのか本当に分からない。日中合作映画「未完の対局」ではまるで中国共産党が撮った反日プロパガンダ作品であったし共産党支持者の森村誠一原作の角川映画「野生の証明」では自衛隊を徹底的に悪役として演出した。

しかし、「男たちの大和」では社民党の福島瑞穂から”右寄りの軍国主義礼讃映画”と言わせるほどの内容だったのだ。
私のような右寄り保守系軍事オタクから見ても「男たちの大和」は保守的史観に基づく戦争映画であったと感じられる。それは天一号作戦で沖縄に突入する直前の「大和」艦内で反町隆史演じる森脇庄八二等兵曹が”母親や妹を守る為なら闘う価値がある”というセリフからだ。また、圧倒的な米軍と最後まで絶望的な戦いを展開する「大和」の姿は多くの日本人のナショナリズムを奮い立たせた。本作公開当時、私が見た映画館では若い女性たちが皆、嗚咽していた。「男たちの大和」は疑いの余地なく右寄り保守系映画であり福島瑞穂の指摘は正解だ。

佐藤純彌と似た様な映画人にリチャード・アッテンポローがいる。
第二次大戦中の英米連合軍によるマーケット・ガーデン作戦を描いた「遠すぎた橋」では英米軍の英雄的・犠牲的活躍を描いたかと思えば「ガンジー」ではインド植民地支配をイギリス帝国主義による侵略・搾取・邪悪な人種差別として描いた。「遠すぎた橋」では英雄として描かれたイギリス軍が「ガンジー」ではナチスドイツ並みの侵略者として描かれていたのだ。

観客としては作品により歴史認識や政治思考がコロコロ変わる監督は一貫性がなく正直なところ信用出来ない部分がある。むしろ徹底した左翼である山本薩夫の方がよほど理解し易い。

ところで「男たちの大和」」だが戦争映画として見た場合、評価出来る部分と評価出来ない部分が折衷しており難しい作品なのです。

・評価出来る部分
まず、2000年以降に製作された日本の戦争映画(特に東宝作品)に多く見られる萌え系演出ではなく真面目に激動の時代を描いた点。ここは高く評価していいでしょう。仮に「男たちの大和」が東宝作品で樋口真嗣あたりが監督していたらラブストーリー優先の目も当てられない萌え系超駄作になった可能性がある。「男たちの大和」に次いで東映が製作した「俺は君のためにこそ死にに行く」も同様の硬派作品であり私個人としては及第点を付ける事が出来た。

東宝戦争映画では主人公は海軍兵学校や帝大出のエリート海軍士官(それも例外なくイケメン)なのですが「男たちの大和」では主人公は無骨な下士官や幼さが残る少年兵たちであり庶民としては感情移入し易かった。この点も評価したい。

「男たちの大和」でもうひとつ高く評価したいのは何といっても尾道に製作された「大和」原寸大のセットだ。
この原寸大セットは一般に公開され私も遠路はるばる見学に行った。ミニチュアでは到底実現不可能なその圧倒的な迫力は実際の「大和」を彷彿させるものであり今でも感動を忘れる事が出来ない。
onomitiyamato.jpg

onomitiyamato2.jpg

上の写真は2006年5月、私が尾道の「大和」原寸大セットを見学した際に撮影したもの
残念ながら今は取り壊されて現存しない


・評価出来ない部分
旧日本軍は陸軍でも海軍でもユーモアのある知的でジェントルマンな組織であった。
ガチガチの軍国主義イメージは戦後になって創作されたものであり私のような軍事オタクが見ると非常な違和感がある。それは岡本喜八監督作品「日本のいちばん長い日」も例外ではない。この映画で黒沢年雄演じる畑中少佐は狂信的な青年将校として描かれたが実在の畑中少佐は温厚な紳士だったのだ。「男たちの大和」も他の邦画と同じく日本軍人がエイリアンのように機械的な冷血として描かれているのはどうにも解せない。特に司令官や艦長クラスの幹部はとても情ある日本人には見えないのだ。

これは予算上の問題だと思うが劇中、登場する軍艦はほとんど「大和」1隻のみで他の艦艇は姿を見せない。
天一号作戦では「大和」の他、軽巡「矢矧」や駆逐艦「雪風」など9隻の護衛艦が随伴していたが「大和」の沈没後、生存者を救助する駆逐艦がチラッと見えるだけ。
yayayahagi.jpg

(写真上)天一号作戦に参加し米軍機の攻撃を受ける軽巡「矢矧」
この作戦で日本艦隊は「大和」の他、軽巡「矢矧」と駆逐艦「冬月」、「涼月」、「雪風」、「磯風」、「濱風」、「朝霜」、「初霜」、「霞」の9隻の護衛艦が参加した。しかし、「男たちの大和」では予算上の理由から「大和」以外はほとんど登場せず軍事マニア的な視点としてはかなり不満は残る結果となった。

また、日本製戦争映画では敵兵がほとんど登場しないのが大きな特徴であり最近公開された役所広司主演「聯合艦隊司令長官 山本五十六」でもアメリカ兵は一人も登場せず「永遠の0」でも最後に少しだけアメリカ兵が登場しただけであったが「男たちの大和」でも最初から最後まで一人のアメリカ兵も出てこなかった(実写映像でルーズベルト大統領が出たかな・・・)。

これでは日本軍は敵機や敵艦とだけ戦っているイメージであり敵側の人間感情が全く分からない。
相手が人間ではく兵器や機械であれば日本人のみが人間という事になる。日本人の戦争感は保守であっても左翼であっても”被害者意識だけがクローズアップされる”のだろう。

補足
iwaousubuchi.jpg
1)配役陣の中では臼淵磐海軍大尉を演じた長島一茂は完全にアウト
恐らくもっとも重要な役柄であろう臼淵大尉役になんで役者素人の一茂なんかキャスティングしたのか?

ところで海軍予備学生として実際に「大和」に乗艦し臼淵大尉と面識があった吉田満は戦後、著書である「戦艦大和」で臼淵大尉の為人に深く触れている。海兵出身のエリートである臼淵大尉は海軍精神の権化のような軍人であったが同時に文学的センスに優れ将来を見通す先見性の持ち主であった。昭和20年4月、「大和」艦上で戦死した実在の臼淵大尉は若干21歳。当時の日本人は21歳でも己の過酷な運命と対峙していたのだ。


2)逆に蒼井優は良かったと思う。最近の若い女優では昭和20年がもっとも似合う女優、地味なところが大和撫子的で良い。井上真央は演技が過剰であまり好きになれない。

3)
「大和」の考証は映画製作当時(2005年)としては精巧だったと言えるが「大和」の考証面の研究はその後も更に進んでおり2014年現在の視点で見ると誤りも認められる。
  1. 2014/11/09(日) 16:41:29|
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映画「敦煌」の感想

敦煌
公開:1988年6月
原作:井上靖 監督:佐藤純彌
出演:佐藤浩市 西田敏行 柄本明 田村高廣 中川安奈 三田佳子 渡瀬恒彦 
鈴木瑞穂 原田大二郎


うろぱす副船長評価 55点

2014年11月現在 YAHOO映画レビュー得点  3.41点

先日、映画「敦煌」でヒロインの王女役を演じた中川安奈さんの訃報が伝えられました。
まだ49歳の若さ。私と同世代なので他人事とは思えません。ご本人も無念だったでしょう。ところで中川さんの母方の祖父は千田是也さんだったのですね。千田さんと言えば日米合作の超大作戦争映画「トラ!トラ!トラ!」で近衛文麿首相役が非常に印象に残っています。

1988年に公開された「敦煌」は井上靖の同名歴史小説を映画化したもので製作費は日本映画としては史上空前の50億円が投じられており公開当時は大きな話題となりました。中国で全面ロケし人民解放軍も撮影に全面協力するなどたしかにスケールの大きさだけは特筆に値する映画でした。

でも、それだけの映画だったような感想です。
とにかく脚本が原作をそのまま脚色したようなメリハリのない平凡なもので娯楽映画としての面白さに欠けるのです。
日本では中国の歴史映画は当たらない、というジンクスがあるらしいですがそれを考えれば「敦煌」は企画段階からかなり難しい映画製作だったと考えられます。
 
ローマ帝国や十字軍のほうが理解し易いのか・・・

R・スコットも歴史大作映画を撮りましたが「グラディエーター」や「キングダム・オブ・ヘブン」などメリハリの効いた鋭い脚本と圧倒的な映像の迫力で観客を圧倒する作品を撮りました。しかし、「敦煌」は盛り上がりに欠け役者も日本人そのもので1000年前の宋の時代の人間にはとても見えず長い上映時間も相まって中盤からはダレてきてしまいます。「キングダム・オブ・ヘブン」では観客は十字軍の時代に自分自身がタイムスリップしてしまい激動の時代を実体験出来る。キリスト教とイスラム教の教義や文化の違い、エレサレムでの市民の生活など見事に描かれていた。しかし、「敦煌」では”作り物の世界”しか見えてこないのだ。

もっとも、映画「敦煌」のサイドに立って考えると日本人は中国史よりローマ史や十字軍の方により興味があるのかもしれない。

ただ、繰り返しになりますが「敦煌」にはR・スコット作品のような迫力も感動もかんじられなかった。

やはり映画は脚本が重要だと反面教師で教えられます。幾ら大金とつぎ込んで海外ロケしても脚本力が弱ければ作品は中途半端となり観客はスクリーンに集中出来ないのです。




  1. 2014/11/01(土) 21:28:30|
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うろぱす副船長

Author:うろぱす副船長
うろぱす副船長と申します。
以前からYAHOO映画レビューを書かせて頂いておりますがYAHOO映画では過去記事の訂正や加筆・修正が出来ないのでこちらであらたに書き直したいと思っています。

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