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うろぱす副船長のYAHOO映画レビューの加筆・修正

右寄り保守系軍事オタクの映画評。感想は辛口ですが映画への愛情の裏返しです

映画「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」の感想

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隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS

2008年公開 監督:樋口真嗣
主演:阿部寛 松本潤 長澤まさみ 椎名桔平 宮川大輔 國村隼 生瀬勝久 板野友香
そもそも黒澤版と比較すること自体、無駄な事
黒澤版のパロディとして存在価値はある。


うろぱす副船長評価 45点

2013年6月現在 YAHOO映画レビュー得点 2.93点(投稿者数743名) ファン数135名
正直なところ私は「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」(以下:樋口版)をボロクソに酷評する為に映画館に足を運んだ。私は黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」(以下:黒澤版)は数ある映画の中でも特に好きな一作である。率直な感想だが「七人の侍」より「隠し砦の三悪人」のほうがより自分のセンスにあった作品だ。

黒澤映画全30作品中、もっとも娯楽色が強く主演の三船敏郎をはじめ雪姫を演じた上原美佐、コミカルなコンビの千秋実や藤原鎌足らの個性溢れる演技と存在感で公開から半世紀以上経過した今日でも多くの映画ファンから愛される究極の傑作だ。

その黒澤版に事もあろうにアイドルを主演にしたリメイク作を撮るなんて、と観る前から憤慨していたのだ。
しかも、監督が「ローレライ」や「日本沈没」であまり評判のよくない樋口真嗣。

”これは酷評レビューを書いてやるしかないな!”と黒澤映画ファンの一人として激高した。


そして鑑賞。
もちろん、黒澤版とは比較するどころか足元にも及ばない映画であった。YAHOO映画をはじめ多くの映画サイトを読んだか予想どおり何処も彼処も酷評のオンパレード・・・・

それは私も全く同感なんです。
まぁ、樋口版にこれだけの酷評が殺到したのは言い換えれば黒澤版が如何に多くの映画ファンから愛されているか、という裏返しではある。

黒澤版で馬にのった三船敏郎が敵陣に切り込むシーンや藤田進が言う有名な”裏切り御免”のセリフを長澤まさみがやったら、そりゃ~顰蹙買いますよ。

特にご年配の観客は呆然として空いた口が塞がらないでしょう。


戦国時代、身分差別は絶対的であり盗賊の男が仮にも大名家の姫君に”雪”なんて呼び捨てにするわけない。ましてや恋愛関係なんかになろうハズもない。こんな稚拙な演出したら誰だって怒る。

しかし、樋口版は全く評価する価値もない駄作・愚作の部類だったのか・・・


長年に渡り黒澤明と盟友関係にあった東宝がどういう理由かは知らないが黒澤映画でも最も愛された「隠し砦の三悪人」をアイドル映画としてリメイクした事は大きなミステイクであった、と断じざるを得ない。

その一方で「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」は全く評価するにも値しない駄作だったのだろうか・・・。

私自身は樋口版を観て”つまらない”とか”時間の無駄”という感想ではなかった。
それなりに楽しめたのである。もちろん、前記したように黒澤版の胸が高鳴る高揚感や感動はなかった。だが、長澤まさみの雪姫は結構、サマになっていた。彼女は本作で頑張っていたのである。

それよりも樋口版の一番の注目点は黒澤版のパロディとして観ると色々な発見があるところだ。つまり”それなりに楽しめた”というのは舞台裏の苦労を予想した皮肉で少し嫌味な楽しみ方であった。

アクション時代劇だった黒澤版を無理矢理アイドル映画にした為、かなりの部分に無理が生じたがそれをどのように処理して辻褄合わせしたのか、脚本段階の苦労も垣間見える。完全なリメイクのほうが楽だったと思うのだが”これでは映画ファンから徹底的に酷評される”と思いつつトップの命令で仕方なく設定変更しているスタッフの苦渋に満ちた顔が思い浮かんで来るではないか・・・

樋口版を観てから黒澤版を観るとあらためて黒澤版の持つ素晴らしい価値と魅力を堪能出来る。
これも皮肉な事に樋口版の文字どおり”隠れた功績”と言えるかもしれない。

補足
1)私はYAHOO映画で樋口版に☆4個付けたがクリックの押し間違えで本当は3個でした。

2)黒澤版では三船演じる真壁六郎太の妹(雪姫の身代わりとして処刑されたらしい)は登場しなかったが樋口版では阿部寛演じる六郎太の妹が登場する。その妹は板野友香が演じているのだがなかなかの存在感だった。




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  1. 2013/06/30(日) 23:23:42|
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映画「ミッション」の感想

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ミッション

1987年日本公開 製作:デビット・パットナム 監督:ローランド・ジョフィ 脚本:ロバート・ボルト
出演:ジェレミー・アイアンズ ロバート・デ・ニーロ レイ・マカナリー リアム・ニーソン
西欧キリスト文明優越の典型作
非キリスト教徒の非白人が見れば白人の自惚れがイヤでも鼻に付く

うろぱす副船長評価 30点

2013年6月現在 YAHOO映画レビュー得点3.88点(投稿者25名) ファン数49名
”MISSION”、ミッションとは日本語では使節と訳されることが多いがキリスト教では”福音宣教”と訳すのだそうです。イエス・キリストの教えを世界に布教する事です。

戦国時代に来日したイエズス会のフランシスコ・ザビエルもミッションの一人ですね。
1987年に日本公開された映画「ミッション」も題名どおり南米奥地の未開地で布教を行うイエズス会の神父を描いた宗教色の強い作品です。

クリスチャンの人って、この映画好きなの?

この映画、日本でも比較的評価は高いようだ。
しかし、私はキリスト教徒でもなければ白人でもないので西欧キリスト教文明の絶対的優越を描いたこの「ミッション」はあまり好きになれない。とにかく最初から最後まで白人と西欧キリスト文明の優秀さと素晴らしさばかりが強調され”南米の野蛮人と未開地は白人とキリスト教が救済してやる”的な匂いが強烈に鼻に付くんですよ。

「ミッション」を製作したデビット・パットナムと監督ローランド・ジョフィのコンビは前作でカンボジアにおけるポルポト派の大虐殺を描いた「キリング・フィールド」も撮っている。「キリング・フィールド」では白人記者とカンボジア人助手の友情が描かれていた。だが、こちらも白人と西欧文明が絶対的に優越でカンボジア人の劣等的な描き方は「ミッション」における描き方と全く同じであった。

南米もカンボジアも西欧文明から見れば遅れた未開地なのだろう

「ミッション」ではキリスト教布教の演出のみに重点が置かれすぎていて南米先住民達の独自の文化や価値感、ライフワークなど全く無視、或いは野蛮なものとして描いていた。「キリング・フィールド」では何故、カンボジアでポルポト派が権力を掌握したのか、などには全く触れておらずあくまで白人の視点で見たアジアの一小国の内戦というレベルでしか捉えていない。

彼ら白人にとっては”西欧キリスト文明の優越”は完全無欠な絶対的価値感であり、南米の奥地やカンボジアなどは”エイリアンが居住する辺境の未開地”でしかないのだろう。それはこの二つの映画を観れば思い知らされる。

欧米やキリスト教の思想で映画を製作すれば非欧米、非白人は”異端なもの”と表現されてしまうのは、ある意味で仕方ないのだろうか・・・。


しかし、後にリドリー・スコットはキリスト教徒とイスラム教徒を平等に描いた「キングダム・オブ・ヘブン」を製作した。何とこの映画ではイスラム教徒がキリスト教徒以上に高潔な人間として描かれていたのだ。「キングダム・オブ・ヘブン」は白人だって自分達を戒め、かつ異教徒を尊重する映画を撮れるのだと証明した素晴らしい作品であった。

その意味からも無条件に白人と西欧キリスト教文明の絶対的優越を誇る「ミッション」と「キリング・フィールド」の2作には厳しい評価とならざるを得ない。
映画「ミッション」は文字通り、”福音宣教”そのものだ

非白人である私にとっては、あまり素直には評価出来ない映画であった。

補足
「ミッション」では神父役でリアム・ニーソンが出演している。彼の名は当時の日本では一般には無名だった。


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  1. 2013/06/27(木) 19:48:56|
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映画「ゲッタウェイ」の感想

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ゲッタウェイ

1973年日本公開 監督:サム・ペキンパー 脚本ウォルター・ヒル 音楽:クィンシー・ジョーンズ
出演:スティーブ・マックイーン アリ・マッグロー
サム・ペキンパー 渾身の一作
究極のバイオレンス映像! スローモーションで堪能!


うろぱす副船長評価 95点

2013年6月現在 YAHOO映画レビュー得点 4.33点(投稿者数49名) ファン数91名
1972年に製作され日本では翌1973年公開なので、もう40年も昔の映画となりました。
サム・ペキンパー作品の中でも最も知名度が高く興行的にも成功した作品です。

ペキンパーのバイオレンス映画の究極であり彼が得意とするスローモーション映像でじっくりと堪能させてくれる。銃撃戦やカーアクションの迫力は21世紀の今日の視点で観ても全く色褪せない。初公開時、私は小学生だったのでもちろんリアルタイムでは観ていない。私が初めて本作を観たのは高校生の時、池袋の映画館でサム・ペキンパー特集を観た時である。
その時、上映されたのは「ゲッタウェイ」と「戦争のはらわた」だった

流石にこのラインナップは強烈過ぎでしたね。
「ゲッタウェイ」でマックイーンがショットガンを撃ちまくるのを観て、その直後に「戦争のはらわた」でジェームズ・コバーン演じるスタイナー曹長が短機関銃を乱射するのを観る・・・・

情け容赦なく撃って撃って撃ちまくる、とにかく銃撃戦の描き方が半端ではないのだ。

こちらも興奮状態となり以後も数十年に渡りトラウマとなった。
それぐらい、サム・ペキンパーという監督は凄い監督だったのだ。バイオレンスを作品として仕上げた最初の映像作家だろう。恋愛やアドベンチャーだけが映画の題材ではない事を証明してくれた監督でもある。タランティーノ作品にも大きな影響が見て取れる。

「ゲッタウェイ」でマックイーン演じるマッコイとアリ・マッグロー演じる連れの女キャロルは銀行強盗や殺人を犯した犯罪者カップル。本来ならば法治国家では許されない人間なのだが本作を観ていると二人を応援したくなるのだから不思議だ。

人間には本性としてアウトローへの憧れがあるのだろうか・・・・
まぁ、マックイーンとマッグローに人並み外れた魅力があるからだろう。他のキャストだったらここまでの共感は得なかったかもしれない。キャロルは気弱な女性ではなく自ら銃撃戦を展開するタフな女性で大スターであるマックイーンを食ってしまうほどのキャラクターだ。

マックイーンも数多くの映画に出演した。
「荒野の七人」や「大脱走」ももちろん良かった。しかし、私はこの「ゲッタウェイ」でのマッコイ役が一番彼の魅力が出ていると感じる。

本作の中で特に印象に残るシーンがマッコイとキャロルがゴミ清掃車から吐き出される件
まるで”お前達はこの世の中に必要ない”と宣告されているかのようだった。世の中、社会人として真っ当に生きられる人間ばかりでもない。「ゲッタウェイ」は社会から摘み出された人間の哀愁を見事に描いた傑作なのだ。

最近の若者はマックイーンを知らない

ところで最近の若い世代はスティーブ・マックイーンを知らないんですよ。
私の知人の若い女性も彼をしらなかった。彼が亡くなって30年以上も経過しているので仕方ないのか・・・。そんな若い人達にこそ「ゲッタウェイ」を観て欲しい。



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  1. 2013/06/26(水) 20:00:47|
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映画「夢 DREAMS」の感想

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夢 DREAMS

1990年公開 監督:黒澤明 
出演:寺尾聡 原田美枝子 いかりや長介 倍賞美津子 根岸季衣 井川比佐志 建みさと 伊崎充則 笠智衆  中野聡彦 マーティン・スコセッシ
カラー化された後期黒澤映画で最も評価出来る。
特異な8話オムニバス


うろぱす副船長評価 75点

2013年6月現在 YAHOO映画レビュー得点 4.1点(投稿者数48名) ファン数90名
モノクロ時代の黒澤映画についてその完成度の高さ、世界の映画人に与えた影響の大きさなど誰もが認めるところです。私も「七人の侍」、「隠し砦の三悪人」、「天国と地獄」など最盛期の黒澤映画には絶大な影響を受けたし圧倒的な感動も体感した。

しかし、1970年に公開され黒澤明初のカラー作品となった「どですかでん」以降の作品評価はどうであろうか・・・?(※私は便宜上、黒澤明最後のモノクロ作品となった「赤ひげ」(1965年)までを前期黒澤映画、「どですかでん」以降を後期黒澤映画としている)

黒澤映画の常連で黒澤明とは長年の盟友である千秋実は”色が着いてからの黒澤作品はつまらない”と評した。
この感想は実は多くの映画ファンの共通の認識ではなかろうか。正直なところ私も同感なのだ。日本映画としては多額の予算を投入した「影武者」、「乱」も世間の評価は余り芳しいとは言えない。「七人の侍」や「隠し砦の三悪人」など前期作品と比べ「影武者」や「乱」に代表される後期作品は明らかに映画としての醍醐味、面白みに欠ける。「乱」は上映時間長すぎでしかも展開にメリハリがなく私は睡魔さえ感じてしまった。
黒澤、老いたり・・・  
それともカラー映像が黒澤映画には相性が悪かったのか


その原因を自分なりに考えると黒澤監督自身が「庶民的視点」を失い、「神の視点、天の視点」で映画を撮っているからだと思える。事実、黒澤は「乱」撮影時に”この映画は神の視点で撮る”と公言していた。しかし、黒澤明が如何に優れた才能の持ち主でも人間は人間であり”神”にはなれないのだ。

はっきり言うが黒澤明は自惚れていたのだ。
あの黒澤明でさえ自身の殻に閉じこもれば観客が何を映画に求めているのか、その耳に聞こえなくなっていたのだ。

だが、余り評価がよくない後期黒澤映画で唯一、例外的に高評価な作品がある。1990年に公開された「夢DREAMS」である。

8話からなるオムニバス映画で一話一話の関連はほとんどなく漠然と見てしまうと”一体、監督は何を伝えたいのか?”と疑問に感じてしまうような展開である。しかし、一話一話に趣がありその世界の中へ引き込まれてしまう。物語が短編なので間延びせず観客が集中出来るのもオムニバスのいいところだ。日本ではオムニバス映画はあまり撮られていないが「夢」はその意味からも貴重な存在だ。

第1話・日照り雨
この章では狐の嫁入りが描かれる。旧家には”黒澤”という表札がありこの物語が黒澤明の少年時代を描いたものである事が伝わってくる。森の中を進む狐の面が実に個性的。

第2話・桃畑
この章で桃の妖精を演じた建みさとは今でも女優活動をされているそうだ。少年黒澤にはこれも子役時代の伊崎充則が演じている。「夢」の8エピソードのうちこの第2話が最も黒澤明の映像的センスを感じられる。雛人形達の華麗な舞は言葉で表現出来ないほど美しい。「どですかでん」以降のカラー化された黒澤作品でこの雛人形の舞は最も完成度の高い映像だろう。黒澤明はカラーでも素晴らしい感動を与えてくれたのだ。

第3話・雪あらし
このシーンでは雪山での遭難が描かれる。登山家には寺尾聡、雪女は原田美枝子が演じる。この二人は「乱」以来の競演だ。

第4話・トンネル
戦争から一人生還した兵士を寺尾聡が演じる。
トンネルから戦死した兵士の亡霊が軍靴の音を立てながら登場してくるシーンは悲壮感が漂う。亡霊となった兵士の表情は血の気がなく骸骨のようだ。彼らは自分が死んだ事が理解出来ていない。残酷で非情な姿でもある。戦争を背景に男女のラブロマンスを甘く描いた「真夏のオリオン」なんか足元にも及ばない強烈な演出である。

第5話・鴉
寺尾聡演じる画学生がタイムスリップしてゴッホに出会う。
私としてはこのゴッホとの出会いを描いた第5話が一番印象に残る。若い画家は黒澤明の若い頃の姿である事は確実だが黒澤自身、ゴッホの世界の虜になってしまい、生涯ゴッホの呪縛から逃れられなかった事を描いたのだろう。黒澤明は作品を制作する際、自分の考えやイメージをスタッフやキャストに伝える為に絵コンテを描くがその画風はゴッホの画風にソックリだ。

第6話・赤富士
原発が事故を起し富士山が溶けて行く。この映画が公開されてから21年後に起きた福島第1原発事故を予言した、と一部で噂させるエピソードだ。もちろん、それは完全な事実誤認。このエピソードは本作が公開される4年前の1986年に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故を日本に置き換えて演出したものだ。もちろん、核エネルギーを人類が完全には制御出来ない、と言う事を描いた点では黒澤明の着想点は流石としか言いようがない。私は経済の観点から原発再稼働には賛成の立場だが「夢」で黒澤が描いた人類への警鐘はしっかりと受け止めねばならないだろう。

第7話・鬼哭
どうやら世界が滅亡した後の世界を描いたようだ。何故、人類が滅んだかをハッキリとは説明していないのだが、いかりや長介演じる鬼の話からは核戦争が原因のようである。

第8話・水車のある村
8話からなるエピソードの最終章。笠智衆演じる老人が登場するが葬列には黒澤映画の常連が何人も参加しており原田美枝子も加わっている。どうやら原発反対、自然エネルギー推進、という立場の人には嬉しくなるようなシーンだろう。

夢DREAMS」は「庶民の視点、人間の視点」で撮られていたと思いた。
個人的にはカラー化された後期黒澤映画の中ではもっとも評価出来る映画なのですが。他の映画ファンの方もかなり高評価で嬉しい。今のところDVDのみのようだが映像美は黒澤映画全30作品中でも最も美しいので是非、ブルーレイを発売してもらいたい。


補足
1)「夢」は当初の企画段階では他にもエピソードを加える予定であったらしいが主に予算上の理由で8話に圧縮されたようだ。

2)第5話・鴉のロケは北海道の女満別で行われた。私はヨーロッパでロケしたのかと思っていた。日本をヨーロッパに見せてしまうあたりも流石は巨匠だ。因みにゴッホを演じたのがマーティン・スコセッシである事は映画通の方ならご存知だ。

3)黒澤明は「影武者」と同時期に製作されていた角川映画「戦国自衛隊」の発想を”戦車が出てくる時代劇なんて”と根本から否定していた。しかし、「夢」では画学生がタイムスリップしてゴッホに出会うという状況を描いた。これは「戦国自衛隊」のSF的発想と同じだ。

4)因みに私は黒澤映画全30作品中、最悪の失敗作は「乱」だと考えている。


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  1. 2013/06/22(土) 20:15:18|
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映画「ローグ アサシン」の感想

rogue assassin

ローグ アサシン

稚拙な日本語セリフに大爆笑! 史上稀に見る駄作

うろぱす副船長評価 9点

2013年現在 YAHOO映画レビュー得点 2.87点(投稿者81名)
この映画、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ジョン・ローンという大スターを3人も揃えたのに全く期待ハズレもいいとこでした。そう感じたのは私だけでなく多くの人が本作には失望感を感じたようです。

とにかくこの映画は日本人をコケにしまくっています。
もちろん、ハリウッド映画は欧米キリスト教文明優越でありアジアは徹底的に蔑視して描いてきましたが、この「ローグ アサシン」はちょっと酷すぎです。

ここまで酷いと怒りや憤りを通り越して笑ってしまいます。
特にジェイソン・ステイサムの日本語は滅茶苦茶で意味不明なんです。私も本作を観てからかなり時間が経過しているので記憶が定かではありませんがだいたい以下の様な内容だったと思います。

”コノヤロー!、ヤクザヲ相手ニスルナラ日本語ヲ勉強シロー!、・・・・ゴメン”


はぁ~、がはははははははは!!!!


ゴメン、って何を謝っているんだい・・・・・?


製作者や監督は日本関係の考証の専門家のアドバイスなんて聞かなかったのか・・・?

日本語もデタラメなら脚本も酷い

本来ならば、家族の復讐や仲間の裏切りというシリアスなテーマなハズなのに無理矢理くっ付けたような突っ込みどころ満載の安っぽいストーリー。脚本家もプロとしての自覚あるなら少しはマシなストーリーを考えろよ。

まぁ、この映画の関係者は日本人なんて得体の知れないエイリアン程度にしか思っていないのだろう。
ジェット・リーもこの映画ではいいところナシでした。ジェイソン・ステイサムも男を下げた。

「ローグ アサシン」はハリウッド映画の本質が日本蔑視であると教えてくれる反面教師の様な作品


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  1. 2013/06/18(火) 20:14:35|
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映画「JSA」の感想


JSA
2001年日本公開 監督:パク・チャヌク
出演:イ・ビョンホン イ・ヨンエ ソン・ガンホ シン・ハギュン キム・テウ

「シュリ」と並ぶ韓国映画の双璧、イ・ヨンエの可憐で凛凛しい軍服姿に軍事オタクは翻弄される。

うろぱす副船長評価 80点

日本で爆発的な韓流ブームが起きたのは2003年4月にNHKで韓国ドラマ「冬のソナタ」が放送されたからだが韓国の映像文化などほとんど知られていなかった日本ではじめて認知された韓国映画は2001年1月に公開された「シュリ」と翌2002年5月に公開された「JSA」であった。

その後、韓国の映画やドラマは大量に日本に流入してきた。
中には良質な作品もあったが大半は日本作品の亜流であり日本人の広範な支持を得た、とは言えない。皮肉な事に日本で公開された韓国映画で最高の作品は日本で認知された韓国映画第1作目の「シュリ」と2作目の「JSA」であった、というのが多くの映画マニアの見解ではないだろか・・・

2013年6月現在、YAHOO映画レビュー得点 3.98点(投稿者数81名、作品ファン登録者187名)
韓国映画は意図的にマイナス点を入れられる事が多いが、それを考えればこの高得点は本作の評価が如何に高いかを物語っている。

映画通の北のあの方は本作を評価したらしい


映画通で知られた北朝鮮の金正日は”「シュリ」は甘い感じで事実を正確に伝えていないが「JSA」は重厚な作風であり評価する」との感想を訪朝した韓国人に話したらしい。「シュリ」では北朝鮮をテロリストとして描いたが「JSA」は北朝鮮を立派な軍人、愛すべき人間として描いた。それだけに北の人間から見れば「シュリ」より「JSA」の方が受け入れ易かったのかもしれない。

韓国の退役軍人は本作を厳しく酷評した

「JSA」は韓国映画史上最高の興行成績をあげたが評価は賛否両論となった。
特に軍事境界線付近で勤務した兵士や退役軍人は「JSA」を厳しく酷評したのだ。”北と対峙する最前線での任務は緊張の連続で過酷を極める。南北両軍の兵士が密かに交流し友情を深めるなんて全く妄想であり、事実を知らない子供達が見れば現実を誤解する”と言うのが彼らの主張であった。

だが、直接の当事者ではない我々日本人が観ると現実の問題は別として北朝鮮と韓国の兵士に芽生えた男の友情に率直に感動してしまうのだ。あまり政治的な問題には深入りしない韓国の一般観客も同様だったのではないのか・・・。同じ民族が分断された悲劇の中でたとえ創造された映画の中であっても「JSA」が描いた世界は多くの韓国の人々の心を捉えたのだろう。

北の中士を演じたソン・ガンホと韓国の兵卒を演じたイ・ビョンホンもこの役柄で日本人にその名を知らるようになった。私としては実直な軍人を演じたソン・ガンホの演技を評価したい。

「JSA」が公開された2002年は北朝鮮が日本人を拉致した事を認めた年でもある。その意味からも忘れられない映画だ。

jsa2.jpg


そしてスイス軍女性将校を演じたイ・ヨンエ
軍オタの私は彼女に惚れたのだ。


jsa3.jpg本作では北と南の兵士達の男の友情の他にもう一つ大きな魅力がある。
韓国系スイス軍女性将校ソフィー少佐を演じたイ・ヨンエだ。今でこそ「宮廷女官チャングムの誓い」で日本でも有名になったが彼女の名が日本で知られるようになったのはもちろんこの作品である。もともと「JSA」の原作ではソフィー少佐に相当する人物は男性だったらしい。

この性別の設定変更は正解だったと思う。男臭い映画にはやはり紅一点が必要のようだ。

ところで私は軍事オタクなのでたちまちカッコイイ軍服姿の彼女に惚れてしまった。
因みに北のあの方も彼女の熱烈的ファンだった。何だか私と北のあの方は女優の好みが同じだなぁ~

イ・ヨンエの軍服姿は可憐で凛凛しく恐らく最も軍服が似合うアジア人女優だ。




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  1. 2013/06/17(月) 21:56:59|
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宇宙戦艦ヤマト2199 第六章「到達!大マゼラン」


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宇宙戦艦ヤマト2199

第六章「到達!大マゼラン」



宇宙戦艦ヤマト2199 第六章「到達!大マゼラン」 先ほど観てきました。

率直に言って素晴らしかったです。圧倒的な感動で心臓成りっ放し、家に帰っても感動が覚めません。

出来るだけ早くYAHOO映画レビュー書きます。


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  1. 2013/06/15(土) 23:53:13|
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テレビドラマ「ひめゆり隊と同じ戦火を生きた少女の記録 最後のナイチンゲール」の感想


haskyo.jpg


ひめゆり隊と同じ戦火を生きた少女の記録
最後のナイチンゲール
2006年8月22日 日本テレビ系放映 演出:猪股隆一
出演:長谷川京子 成川璃子 市川由衣 紗栄子 岩田さゆり 柿本明 泉谷しげる モト冬樹 八千草薫


戦没者を冒涜した史上最悪の国賊ドラマ


うろぱす副船長評価 0点


2013年6月現在、YAHOO映画レビュー得点 1.43点
既に多数の作品にレビューが投稿されているYAHOO映画レビューであるがここまで酷い評価の作品も他にはほとんど見当たらない。他の映画やテレビドラマの評価サイトを見ても「最後のナイチンゲール」の評価は極めて悪い。  

実はYAHOO映画レビューで最初に「最後のナイチンゲール」のレビューを投稿したのは私であった。
私は本作をテレビで観て言い様のない不快感と生理的嫌悪感を感じたので”これは書かなくてはならない”と思ったのだ。

本作が初放映されてから既にかなりの時間が経過したのでドラマの内容について簡単に説明しておきたい。
「ひめゆり隊と同じ戦火を生きた少女たちの記録 最後のナイチンゲール」(以下、「最後のナイチンゲール」)は2006年8月に日本テレビ系で放映された沖縄戦を描いたテレビドラマである。主人公の助産婦を長谷川京子が演じ動員された女子学徒隊員を成海璃子、市川由衣、サエコ(紗栄子、ダルビッシュの元妻)などが演じた。

沖縄戦に動員された女子学徒隊と言えば沖縄県立師範学校女子部と沖縄県立第一高女で編成された所謂”ひめゆり部隊”が有名だが他校の女子生徒で編成された学徒隊も存在しており”ひめゆり部隊”以外の女子学徒隊を描いたものとしては恐らく初の映像作品ではないだろうか・・・

私もこの点から本作にはかなり期待していた。

ところが放映開始直後からまるで期待を裏切られる展開の連続で唖然とさせられた。
まずは時代考証完全無視のデタラメ設定。

女子生徒はまるで現代のティーンそのもの。
彼女たちの髪型、話し方、仕草、人生や恋愛に関する考え方、とても昭和20年の戦時中とは思えない。直ぐそこに戦争の危機が迫っているなんていう緊迫感なんて皆無。当時は教師と学生との立場の差は厳格であったハズであるが、このドラマでは何と女子生徒が教師にタメ口を聞いているのだ。

だが、こんなのは序の口なんです。

「最後のナイチンゲール」の最悪の国賊シーンはラスト近くの長谷川京子と椎名桔平のSEXシーン
これがとても子供には見せられない様な濃厚なH。

ハセキョーは大きな喘ぎ声を出し激しく腰を振る~
旦那~、ハセキョーは女性上位でっせ~!!!!

そりゃ~、男だったら誰だってハセキョーの裸体とHは見たいだろうよ。

しかし、ドラマのテーマを少しは考えろ、つーの(怒怒怒怒)


このドラマの関係者の諸君
ハセキョーの裸体とHを描きたいなら別のテーマで描け!!!
例えばハセキョー演じる人妻が風俗嬢を演じるAVとか。それだったら幾らでも観てやる。

沖縄戦では日本人だけで20万人以上が犠牲となり米軍も1万2千人以上が戦死した。その歴史的事実を何だと思っているんだ。多くの人が犠牲となった鎮魂の地をSEX描写するなんてマトモな人間なら絶対にしない。

実はハリウッド映画「スターリングラード」でもジュード・ロウとレイチェル・ワイズの似たようなHシーンがあった。私は戦争映画というより戦争を背景にした恋愛ドラマ仕立ての「スターリングラード」にはあまり評価をする事が出来ない。戦争では生き残る事が全てであり恋愛なんて存在し得ないからだ。この二つの作品は戦争を背景にして男女の甘いラブストーリーを描く、という点で共通点がある。

「最後のナイチンゲール」も「スターリングラード」も戦争という極限状態においては人間は子孫を残すという生理的欲求からSEXをする、という事を描きたかったのか・・・?

しかし、百歩譲っても無数の犠牲者を出した沖縄戦やスターリングラードを舞台に濃厚なSEXを描くなんて戦没者を冒涜している、としか思えない。

補足
1)長谷川京子とサエコは「最後のナイチンゲール」が放映される前年に放映されたドラマ「ドラゴン桜」でも教師と生徒役で競演している。「ドラゴン桜」はなかなかの秀作であった。

2)「スターリングラード」というタイトルの戦争映画はドイツ映画にもある。このドイツ版は戦争の真実に迫った傑作戦争映画。



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  1. 2013/06/14(金) 20:28:50|
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映画「食人族」の感想


食人族




ヤラセ確実だが公開当時はかなり話題となった

うろぱす副船長評価 39点

「食人族」が日本で公開されたのは1983年の3月頃だったと記憶している。。
低予算B級テイスト映画の典型作だが欧米では大ヒット、日本でもかなり話題になり、私も学友達と今は無き渋谷の東急映画館に見に行きました。

同じく低予算で撮られた「ゾンビ」も大ヒットしたがこの2作は後に多くの続編や類似作品を生んだ点でも共通点がある。「食人族」は誰が見ても明白なヤラセ作品であり、エロ・グロ・ゲテ3点揃った気色悪い内容だが世界的ヒットになったのはこの種の作品は世界中で需要がある、という事のようだ。また、低予算で多くの収益を上げたのだからビジネスとしても成功である。

「外国版、悪趣味川口浩探検隊シリーズだ~!!(笑)

こんな映画は男しか観ないだろう、と思っていたのだが映画館にはかなり若い女性が居たし私の知人女性も観ていた。本作では女性が拉致されレイプされる場面があるがAV界の重鎮、ヘンリー塚本監督にも影響を与えたのではないだろうか・・・。ヒロインが最後は殺される、という設定もヘンリー塚本作品の原型と考えられる。

2013年6月現在のYAHOO映画レビュー得点3.33点。
公開から30年経ったがレビュー数も多く本作のインパクトは21世紀の今日でも相当強いようだ。多額の予算を投入し有名俳優が出演した作品でも時が経つと忘れ去られる映画も多い中で「食人族」は映画としては恵まれた存在だと言える。


(補足)当時、この映画を「本物だ」と信じていた学友は今でも心霊現象やUFOを信じています。たけしさんのTVタックルの超常現象スペシャルを見ては「あの番組、見た~?」と未だに私に電話してきます。


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  1. 2013/06/14(金) 05:38:40|
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映画「イングロリアス・バスターズ」

kkkkkaaa112.jpg

イングロリアス・バスターズ

タランティーノの怪作戦争映画、個人的に大好きな映画

うろぱす副船長評価 90点

2013年6月時点のYAHOO映画レビュー得点 3.64

本作が劇場公開された時、”日本での評価は厳しいだろう”と思った。そもそもタランティーノ映画は日本ではあまり受けていない。もちろん一部の映画マニアからは高い評価を受けるのだが万人受けしないのだろう。但し「イングロリアス・バスターズ」は欧米では大ヒットした。文化の違い、と言うべきか・・・。ただ、YAHOO映画レビューの投稿者は映画通が多いので比較的高得点となったと思われる。

タランティーノ映画の醍醐味は会話劇にある。
本作もハリウッド映画では珍しくドイツ語やフランス語セリフが多用されておりタランティーノの拘りが垣間見える。映画通にはよく知られているがアメリカ人は字幕を読むのが大嫌いなので日本のサムライもナチス将校も流暢な英語を喋る。「ラスト・エンペラー」で清国人が英語を喋ったのには流石にマイッた。

どんなに俳優が素晴らしい演技をしても予算を投入したセットを作ってもサムライや西太后が流暢な英語を喋ったら作品が台無し。「ラスト・エンペラー」は決して悪い映画ではなかったが英語セリフが大きなマイナス点であった。「イングロリアス・バスターズ」でタランティーノが原語に拘ったのはそれだけで大きな価値がある。通常のハリウッド映画のようにドイツ人が流暢な英語で会話しているのではドイツ文化を描く事は不可能であったろう。

i4.jpgそれにしても本作で一番の見所はオスカー助演男優賞を取ったクリストフ・ヴァルツ演じるナチス親衛隊のハンス・ランダSS大佐だ。コイツは悪党で冷血漢なのだが実にナチっぽいのである。

ユダヤ・ハンターの異名を持つが戦争の形勢がドイツに不利と見るや連合軍側に寝返る画策を行う、この身代わりの早さも実に上手く演じている。ヴァルツの怪演なくして「イングロリアス・バスターズ」は成り立たなかった。


実際、戦争最終局面でナチ親衛隊のSS国家指導者ヒムラーもヒトラーを裏切り連合国と交渉しようとした。ランダSS大佐は自己の保身に奔走するナチ親衛隊そのもに見える。

i5.jpgもう一人、SS将校を演じたアウグスト・ディールも素晴らしい演技と存在感だった。

彼が演じたのはプレミア作戦でフランスに潜入した英軍ヒコックス大尉の正体を見抜くヘルシュトームSS少佐である。ランダはコミカルな面もあるがヘルシュトームSS少佐はあくまで冷徹で日本人が持っている一般的なナチ親衛隊のイメージそのものだろう。

ディールもドイツ人俳優なのでそのドイツ語セリフは堪能出来る。ヒコックスとヘルシュトームの緊迫感溢れるドイツ語による会話劇は一般的なハリウッド映画ではとても達成出来なかっただろう。


i6.jpgもう一人、忘れてならないドイツ人俳優がツォラー兵卒を演じたダニエル・ブリューレル。
SS将校であるランダやヘルシュトームとは違い気弱なドイツ人青年の人間的な側面を上手く演じている。
ハリウッド映画ではナチスドイツ軍の兵卒は”その他、大勢”のように機械的に描かれることが多い(しかし、何故か国防軍の将校は立派な軍人として描く。「砂漠の鬼将軍」や「バルジ大作戦」、「眼下の敵」もそうだった)。悪名高きナチも大半はツォラーのような平凡な若者だったのだ。

ところで最近公開された日本の戦争映画「ローレライ」や「真夏のオリオン」などイケメン俳優演じる日本軍人がまるで軍人らしくなく呆れ果てて唖然とさせられた(現代風茶髪なヘアースタイルなど公式HPで”旧海軍では長髪が認められていた”などと言い訳していたが・・)。日本映画のダメぶりを痛感させられると同時にタランティーノ映画の質の高さ、細部への拘りには映画ファンとして感激させられた。

i3.jpg

アメリカ軍も情け無用の殺人部隊

ブラッド・ピット指揮するアメリカ軍ユダヤ人部隊は情け容赦なくドイツ軍を殺しまくる。
これまた正義の軍隊としてアメリカ軍を描く事が常識であるハリウッド映画では異例中の異例。まぁ、戦争なんていつの世でも人間同士の醜い殺し合いでありアメリカ軍を正当化して描く作品より「イングロリアス・バスターズ」の方がよほど現実に近いだろう。

日本での一般的な評価はイマイチでも・・・・

本作はタランティーノ作風を結集させた映画でありマニアにはタマラナイ映画である。
彼の独特の映画哲学がナチ占領下のフランスを見事に描写出来た。ナチの恐怖に怯えながら息を殺して地下に潜むユダヤ人、自国の文化を圧殺されてしまうフランス人の苦悩が見事に描かれる。ハリウッド的なアメリカ万歳・ご都合主義感覚ではとても撮る事が出来なかった映像だったと思う。

なお、バスターズの一人として登場するイーライ・ロスは劇中で上映されるナチ宣伝映画「国家の誇り」の監督も務めた。この「国家の誇り」は非常に完成度が高く一本の作品として観てみい、と思っていたのだが最近発売されたブルーレイ・ソフトにフルバーション版が収録されています。戦争映画マニアの方にはお薦めです。


補足
1)礼装を着たツォラー兵卒は柏葉剣付き騎士十字章を着用している。
騎士十字章はナチ最高の勲章であり元帥から兵卒まで階級に関係なく武勲者に授与された。

2)ヘルシュトームSS少佐は黒色のSS制服を着用している。戦時中はSS将校も陸軍型の制服を着るのが一般的であったが黒色制服の着用例も少数ながらあり考証ミスとは言い切れない。

3)個人的に気に入ったのが「国家の誇り」プレミア上映の際に登場するプレイメイト風のドイツ人女性接客係。如何にもタランティーノらしい演出だ。

4)ナチスドイツの国防軍将校を立派な軍人として描くハリウッド戦争映画だが日本軍は猿以下の劣等民族として描く。やはりハリウッドは欧米キリスト文明優越の世界なのだ。

5)本作で気になった点
ヒトラー以下、ナチ幹部が勢ぞろいした映画館で警備があまりに貧弱なところ。映画が上映されるとロビーには誰一人おらずヒトラーとゲッペルスがいる2階には兵士が二人いるだけ。本来ならば数百人の警戒態勢が取られているはずだ。そうなればドアの鍵を閉めるなんて不可能だった。まぁ、これは映画なんでそこまで難いことは言わずに・・・・




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  1. 2013/06/10(月) 22:28:01|
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うろぱす副船長

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うろぱす副船長と申します。
以前からYAHOO映画レビューを書かせて頂いておりますがYAHOO映画では過去記事の訂正や加筆・修正が出来ないのでこちらであらたに書き直したいと思っています。

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