うろぱす副船長のYAHOO映画レビューの加筆・修正

右寄り保守系軍事オタクの映画評。感想は辛口ですが映画への愛情の裏返しです

映画「ワイルド・ギース」の感想

ワイルド・ギース

アンドリュー.V.マクラグレン渾身の一作、傭兵戦争映画の不滅の傑作

うろぱす副船長評価 95点
2017/3現在 YAHOO映画 3.8点


アンドリュー.V.マクラグレンは成功作と失敗作の差が激しい監督として知られています。
「戦争のはらわた」の続編、「戦場の黄金律・戦争のはらわたⅡ」は駄作・愚策として世界中の戦争映画マニアから酷評されていました・・・。ところで、そんな彼の作品の中で最高傑作は?、と問われれば多くの映画ファンは1978年に公開された「ワイルド・ギース」をあげるのではないでしょうか・・

心臓が止まりそうになるほどの戦闘シーンの迫力、そして男たちの熱い友情に胸を打たれる・・・


リチャード・バートン演じる傭兵部隊の隊長フォークナー大佐がアフリカ某国で反乱軍に幽閉されている大統領を救出する為、かつての戦友を中心に兵士を募っていく件は黒澤明の「七人の侍」を彷彿させる。傭兵隊が輸送機C-130から空挺降下するシーン、迫り来る敵兵との戦闘シーンは圧倒的な迫力で数ある戦争映画の中でも最高ランクの出来栄えでしょう。特にクライマックスでロジャー・ムーアが操縦するDC-3が敵中から間一髪離陸していくシーンは心臓が止まりそうになるほどの緊張感。公開から40年になるが今でも鼓動が鳴りやまないほどの感動を忘れることが出来ないほどです。

南アフリカの元警官を演じたハーディー・クルーガー

この映画は実際にアフリカで傭兵部隊を指揮したマイク・ホアがテクニカルアドバイザーを務めているので軍事的な考証は完璧で多くの軍事マニアを納得させます。国際条約で禁止されている毒ガスで就寝中の敵兵を殺してしまう残酷なシーンもある。リチャード・バートン以下、多くの名優が登場するが中でも黒人に対して激しい差別意識の持主である南アフリカの元警官を演じるハーディー・クルーガーの個性と存在感が素晴らしい。同時期、彼は戦争大作「遠すぎた橋」でナチスドイツ軍の将官を演じておりクールな役柄では他の追随を許さないものがあった。

淀川長治氏曰く、男臭い映画にハズレなし


「ワイルド・ギース」はほとんど女性が登場しない。男と男の友情を描いた”男臭い”作品。
故淀川長治氏の名言に”男臭い映画にハズレなし”とあるが、正にその通りの作品なのです。戦争映画で恋愛やラブロマンスを描いたら必ず失敗する。数々の戦争映画や西部劇を撮ってきたマクラグレンはよく知っていたのだろう。これだけの名作なのに長らくソフト化されていなかったようだが最近になってブルーレイが発売されたので久しぶりに見てみたいと思います。

補足
1)本作は南アフリカで撮影されたが製作当時はアパルトヘイト時代だった。
2)撮影のジャック・ヒルドヤードは「北京の55日」、「バルジ大作戦」、「追想」など映画史に残る名作を撮った超ベテラン
3)ダニエル・カーニーの原作では傭兵が所持している武器はソ連製「カラシニコフ」だが劇中で使用されていたのはイスラエル製短機関銃「ウージ」やベルギー製小銃FALだった。
4)監督のマクラグレンは2014年に死去した。成功作・失敗作の差が激しいと評される監督だがマイケル・チミノもそうだった。私はどうやら出来不出来の激しい映像作家が好きなようです。

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  1. 2017/04/06(木) 20:44:21|
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マイケル・チミノ追悼レビュー・天国の門


マイケル・チミノ追悼レビュー・天国の門

アメリカでの酷評が信じられない、壮大な西部開拓史と映像美が秀逸だ

うろぱす副船長評価  80点
2016/7現在YAHOO映画レビュー得点 3.67点


先日、映画監督のマイケル・チミノ氏が亡くなりました。
「ディア・ハンター」で世界中から絶賛され一躍時代の寵児になりましたが次回作の「天国の門」が酷評され一時、ハリウッドを追放される羽目に。まさに”天国から地獄へ転落”したのです。「天国の門」の酷評はマイケル・チミノの生涯に常に付きまとった。ハリウッドでも「天国の門」は失敗作・大コケの代名詞にまでなってしまったのです。

アメリカ人は自国の恥部を描く映画には冷淡だ


ところで昭和45年に製作された日米合作の戦争大作「トラ!トラ!トラ!」は日本では大ヒットしたがアメリカでは”国賊映画”として酷評され興行的にも失敗した。アメリカ人は自国の恥部を描く映画には冷淡な国民性です。映画に限らずイチローの日米通算打数を”参考記録に過ぎない”と開き直るなどアメリカ人は意外なほど尻の穴が小さい。

「天国の門」もアメリカ西部開拓史の恥部とされるワイオミング州で起きたジョンソン郡戦争をテーマにしたのが特に保守的な白人層を刺激してしまったのでしょう。本作では農場主に雇われた傭兵が東欧系移民を大虐殺した様子が描写されているがこれは史実と異なり実際には数人の犠牲者が出ただけとされる。この史実と異なる展開が白人保守層の怒りを更に増幅させた。

このあたりが戦勝国の驕り・自信過剰の一端です。
敗戦国の日本やドイツでは自虐史観の映画の方が高評価されるのと全く真逆の現象と言えます。

本作は史実の再現ではなくチミノ流の演出・創作が加えられたがそれが火に油を注ぐ結果となってしまったようです。

もともとオリジナル版(219分)は長すぎるとして日本公開版は(149分)とかなり短縮版となった。それでも公開当時の日本での本作に対する評価はそれほど悪いものではなかった。私もチミノ独特の映像美と正確な時代考証を十分に堪能出来たしアメリカでの酷評が信じられなかったものです。今にして思えばアメリカでも「ディア・ハンター」の成功で若くして成功したチミノへの妬みから映画そのものへの評価よりもチミノへの個人攻撃で酷い誹謗中傷になったのかもしれない(ハリウッドは若い成功者には冷たい。スピルバーグへの評価がそれを端的に表している)。

私がオリジナル版をWOWOWではじめて観たのは公開からかなり時間が経っていた90年代後半であった。
自宅でゆったりと観れば219分は苦痛ではないし短縮版では味わえなかった本作の構成と映像は素晴らしいものがあった。日本以外でも欧州でも本作への評価はそれなりに高いらしい。酷評なのは尻の穴が小さいアメリカ人だけなのかもしれない。

「ディア・ハンター」と「天国の門」ではロシア・東欧系を、「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」では中国系とマイケル・チミノはアメリカのマイノリティーの人々の生き様を赤裸々に描いてきた。少数者を描けば彼は一流の映像作家であった。






  1. 2016/07/09(土) 09:11:20|
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マイケル・チミノ逝く

マイケル・チミノ逝く

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「ディア・ハンター」「天国の門」で知られる映画監督マイケル・チミノが逝去したとIndiewireなどが報じた。77歳だった。

チミノの死去は、カンヌ国際映画祭のディレクターであるティエリー・フレモーのTwitterへの投稿によって明らかになった。死因など詳細は不明だが、チミノは家族と彼を愛した女性2人に囲まれて息を引き取ったという。

チミノは「ダーティハリー2」などの脚本を手がけたあと1974年に「サンダーボルト」で監督デビュー。ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、ジョン・カザール、メリル・ストリープが出演した1979年公開の「ディア・ハンター」でアカデミー賞作品賞、監督賞など5部門に輝いた。1980年には大作「天国の門」を手がけたが、興行的に失敗しその後のキャリアに影を落とした。

「エクソシスト」で知られるウィリアム・フリードキンはチミノについて「彼が生きている間に敬意を表するべきだった。優れた技量を持つ監督だった」とTwitterでコメント。「ショーン・オブ・ザ・デッド」の監督エドガー・ライトは「信じられない。『サンダーボルト』は僕のお気に入りの映画なんだ。R.I.P.」とツイートした。(映画ナタリー)


「ディア・ハンター」は私の生涯で恐らく最高の映画

マイケル・チミノ氏が亡くなりました。
77歳。40年近く昔の話ですが世界中で大ヒットした「ディア・ハンター」を監督した時は40歳で”ハリウッドの若き新星”と賞賛され一躍時代の寵児となったのですが、時間が経つのは本当に早いものです。

マイケル・チミノは成功作と失敗作の差が激しい監督としても知られた。「ディア・ハンター」でオスカーを総なめしたと思ったら次作の「天国の門」では大コケしハリウッドを一時追放される羽目に。ジョン・ローンが出演した「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」で再び脚光を集めたが「シシリアン」ではまたしても厳しい酷評を受ける。彼の人生を振り返ると「ディア・ハンター」公開時が頂点だったが、その後は不遇だったとしかいいようがありません。

私にとっても忘れられない監督だがやはり何といっても「ディア・ハンター」に尽きる。本作は本当に素晴らしい映画だった。アジア蔑視とかベトナム戦争の描き方がアメリカ視点で偏向しているなど批判も多いが極限状態の人間を描いた作品としてその名声は不滅だろう。主人公たちの故郷であるペンシルバニア州の街並みとロッキー山脈の美しさが今も脳裏から忘れられない。

私にとっては黒澤明の「七人の侍」、「隠し砦の三悪人」と並んで生涯最高の映画です。

マイケル・チミノ氏の御冥福をお祈りします。

合掌・・・

  1. 2016/07/03(日) 20:00:26|
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意外と同情が多い、ショーンK

意外と同情が多い、ショーンK

松本人志、学歴詐称のショーンKに「高卒であれだけ堂々と…」

ダウンタウンの松本人志(52)が20日放送のフジテレビ系「ワイドナショー」(日曜前10・0)に出演。学歴詐称で活動自粛した経営コンサルタント、ショーンKことショーン・マクアードル川上氏(47)についてコメントした。

 松本は番組内でショーン氏の話題が取り上げられると、「高卒であれだけ堂々と報道番組やれるってすごいタマやなって思いますね」と一言。低い声と説得力のある語り口でメディア活動を行っていたショーン氏にある意味、感心している様子だった。

 19日にはショーン氏がパーソナリティーを務めていたラジオ番組で涙ながらに謝罪する様子が放送された。騒動の渦中にいるショーン氏は現在、大きなショックを受けている様子。松本は「学歴のコンプレックスがある人はこうなってしまうのかな。今すごく恥ずかしい思いしておられるんやろうな」と、ショーン氏を慮った。しかし、ショーン氏の本名が「川上伸一郎」ながら「ショーン・マクアードル川上」という名前でメディアに露出していたことには「チャーリー浜とはわけ違うじゃない、どうなの? それは」と、“ビジネスネーム”に疑問を呈していた。(サンケイスポーツ)


ショーンK氏は英語が非常に堪能なのでまさか学歴詐称しているとは夢にも思いませんでした。
私も昔から英会話を自分なりに勉強しているのですが一向に向上しません。語学は生まれながらのセンスが要求されるようで関根麻里氏なども非常に堪能です。

それならショーンK氏も語学力を売りにすればそれだけで十分に勝負出来たと思うのだが何でハーバードMBAなど、テンプル大学などと余計な事を書いたのか・・・?

魔が刺したのか・・・・

頭の回転もいいし学歴なんかなくともテレビやラジオの解説者は彼の天職だったと思うのですよ。
また、学歴詐称が明らかになっても彼を擁護する人が意外と多いのも今回の特徴ですね。昨年の佐村河内や小保方晴子とその点が決定的に違います。人から好感を持たれる人柄なのでしょう。

長い人生、人間だれしも失敗の一つや二つあります。
ショーンK氏も今回の出来事を教訓として立ち直って欲しいものです。
  1. 2016/03/21(月) 21:39:34|
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名優ジョージ・ケネディ 静かに逝く

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名優ジョージ・ケネディ 静かに逝く

AFP=時事】映画『暴力脱獄(Cool Hand Luke)』で1968年にアカデミー賞(Academy Awards)助演男優賞を受賞し、後年はコメディ映画「裸の銃(ガン)を持つ男(Naked Gun)」シリーズでの警察署長役で知られるようになった米俳優ジョージ・ケネディ
(George Kennedy)さんが2月28日、米アイダホ(Idaho)州ボイジー(Boise)で死去した。91歳。遺族が明らかにした。(AFP=時事)


ジョージ・ケネディは渋い脇役として数多くの作品に出演したが初期角川映画「人間の証明」と「復活の日」にも重要な配役で出演した。その頃の彼は現役バリバリのハリウッド俳優だったが当時の日本映画で彼のような知名度のある外国人俳優が出演するのは非常に珍しかった。

「人間の証明」では松田優作がジョージ・ケネディに勝るとも劣らない存在感と個性だったがそれがハリウッドの眼に留まり後にリドリー・スコットの秀作「ブラック・レイン」出演に繋がったのではないでしょうか・・・・

ジョージ・ケネディ氏のご冥福をお祈りします。

合掌・・・・
  1. 2016/03/01(火) 22:12:58|
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うろぱす副船長と申します。
以前からYAHOO映画レビューを書かせて頂いておりますがYAHOO映画では過去記事の訂正や加筆・修正が出来ないのでこちらであらたに書き直したいと思っています。

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